アメリカの矯正歯科と日本の矯正歯科
矯正に対する文化の違い
現代矯正歯科学発祥の地アメリカでは、国民の間に歯科矯正治療を受けたという高い意識があるようです。
悪い歯並びは、分化的にも衛生学的にも好ましくないということがもはや常識として広く社会に浸透しているからでしょう。
日本でもそのような気運は高まりつつありますが、アメリカのそれに比較するとまだまだと言えるでしょう。
一つには国民性、そして文化的価値観の差というものがあるのではないかと感じています。
国民性ということになりますと、一般的に、『日本人は西欧人に比べて勤勉で忠実』と考えられているようですが、それは一つの側面からのものの見方に過ぎないと思うのです。日本人よりアメリカ人のほうが、原理原則に忠実な国民だと私は思います。ですから、科学も進歩しているし、法律も整備されています。
歯科治療にもその傾向はみられます。悪い歯並びがなぜいけないかの科学的な根拠を知れば、治療に積極的に参加するひとが大多数です。
文化的差異を考えますと、日本の文化は、西欧文化に比べて、“許容”という感覚的特徴を強くもっていると思います。たとえば、西欧の庭園を訪れてみると、植え込みなど幾何学的にきっちり刈り込まれ、左右対称に配置されていたりしますが、大陸文化の影響の少ない時代の日本庭園などは、自然の中に本来あるようなバランスを再現するようなものが多いように思われます。あるいは、陶器など、曲がってしまったものを失敗作として抹殺せず、その歪み具合の中に、“妙味”とでもいうのでしょうか、そういうものを見出し、その物の持つ形態的な、あるいは機能的な不完全さを許してしまう。このような背景を考えますと、杜甫の明眸皓歯は解ったけれど『八重歯もかわいい』という相反する価値観を共存させてしまうこともうなずけます。
しかし、現代は、ボーダーレスの時代。情報が世界中を駆け巡り、本当に良いもの、本当の必要な物は、あらゆる壁を突き破って広がっていきます。日本でも、矯正がもっともっと盛んになることだろうと私は確信しておりますし、また、一日も早くそうなることを願ってやみません。
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